izumi-akie’s diary

画家・和泉暁絵の部屋

「画溶液」ストリッパーの使い方 それぞれの人の違う連想


100号の絵を描いていて、大失敗した時の事です。
前述の様に私はキャンバス地の「白」にこだわっており、上を白やそれに近い色で修正するのに抵抗がありました。

で、困り果ててネットをググりました。

見つけた記事には「ストリッパーを使えば、油絵の具を剥がす事が出来る。」と、載っており、師匠に相談しました。

で、ストリッパーで絵の具を師匠に剥がして頂く事になったのです。

先生と打ち合わせしていると、みんなビックリしていらっしゃいます。

「え?ストリッパーで絵を剥がせるんですか!?」

個展をよくされる先輩はご存知でした。早い時間に来られたので、「本当に剥がせるんでしょうか?」という私の問いに、「ええ、剥がせます。」と、答えられました。

しかし、皆さんストリッパーは、別の用途に使われていたのです。

さる、滅多に取れないとあるコンクールで、最優秀賞を取られた年配の男性は「ストリッパーは筆が固まった時に使うものでしょ?」と、おっしゃり、別の中年の男性は、「ストリッパーは、パレットに絵の具がこびりついた時に使うものじゃないですか?」と、たいへん驚かれていました。

みんな「ストリッパー」という画溶液を知っているのに、使用用途はそれぞれ違う事に、google先生から「絵を剥がせる」と、教えてもらった私は超ビックリでした。

ただ、ストリッパーは危険な物資なので、気をつけて使用しなければなりません。

「呼吸で体に入っても有害なので、出来るなら使用は避けた方が良いし、使用するなら換気が必要。」と、多用している私は先生から忠告を受けたばかりです。

また、肌に触れるとピリピリしたり、場合によっては皮膚科に行かねばなりません。なので、慣れない方がどうしても使用したい場合、ビニール手袋が必要かも知れません。

また、ネットには発火の恐れがあるので、これに使用したもの(布などで絵は大丈夫ですよ)は、水につけてから捨てる必要がある。と、あります。

絵を剥がしたい場合

絵の剥がし方としては、ストリッパーの瓶を数回振り、剥がしたい部分に太めの筆でストリッパーを塗り、しばらく放置。それからペインティングナイフで削り取ります。(私の知る限り世界堂のストリッパーは特殊で、すぐ削った方が剥がれやすい様です。またマイルドで、素手に触れても余り痛まないと思います。が、別の使用方法である固まった筆を元に戻すとかには向かない気がします。また絵を剥がす場合も他社製より若干、剥がしにくいと思います。)

私は、完璧に剥がして、描いて修正しようとする向きがありますが、先生のおっしゃるには、剥がした風合いをそのまま残す方が良いとの事です。

影の部位の周り、白いところがストリッパーで剥がした部位


筆が固まった場合の使用

実はストリッパーを直に使用する方法を教えて下さったのは、先生ではありません。
私は夜間講座に通っております。ところが、コロナ禍で、大賞展を控えているのに、午後8時以降まで講座がまたがるため、一時休講となってしまったのです。

困った私は別の先生の講座を、単発で受ける事になり、削り方は別の先生から教わりました。
その時、固まった筆を元に戻すために使用すると、おっしゃっていた方がいた事を思い出し、おそるおそる「固まった筆を元に戻せるって本当でしょうか?」と、別の先生に伺ったのです。
そして教えて頂きました。

まず、ストリッパーの瓶を数回、振ります。サランラップを広げて、てるてる坊主を逆さまにした様な持ち方をしてストリッパーをたらし、筆先を入れ包み、サランラップをこぼれない様に筆にからませてしばらく放置しますと、固まった筆のこびりつきが取れます。

これで、私は使えなくなっていた筆を使用出来る様になりました。

しかし、パレットのこびりつきを取る方法については、今のところ知る必要がなかったので、クラスメートの中年の男性が、どうやって使用なさっているか、謎なのです。

まだまだ私は知らない事だらけです。