izumi-akie’s diary

画家・和泉暁絵の部屋

画用液の変化

この間、ある人から、「どうして、そんなに大量のリンシードオイルを持って来てんの?」と、聞かれました。

「え、師に、自分でペインティングオイルを調合したいと申したら、テレピンとリンシード(もしくはスタンドオイル)が有れば、何でも描けると言われたから。」と答えますと、

「初心者じゃないんだし、今、それ使用してないでしょ。」と言われました。

そういえばここのところ、パンドルをテレピン少量と、溶いたものや、アルキド樹脂で描いており、ペトロールテレピンと混ぜたり、テレピンの代わりにペトロール使用という事も増えて来ています。

かつて、ダンマル樹脂と、ダンマルペインティングオイルを使用して、古典絵画風に描いていた時期(その時の先生の指示)もありますが、師に習う様になってからはテレピンとリンシードオイルで、一般的な初心者向けの溶き油、ペインティングオイルなるものを卒業したのでした。

え...。テレピンとリンシードオイルでも初心者的なのか...。
もういつの間にか初心者じゃなくなっているのか..,。
と、感慨深いものが有りました。

因みにパンドルや速乾性の液を使用すると、(アルキド樹脂は速乾性が強い)画面割れが起こるという様な事がインターネットによく書かれています。

またシッカチーフも同様とあり、ジンクホワイトを下手に使うと(ジンクホワイトを塗った上に別の絵の具を塗布したり、太めの層をなした絵の具の上にジンクホワイトを塗ると)亀裂が入りやすい、と、一般的に言われていますし、インターネットには誇張した記事がよく有ります。

しかし、私がこれまで得た知恵で申しますと、ゴッホの様に強いタッチの厚塗りの画家に言える事で、表面と白いキャンバスの間に、殆ど凹凸が見られない、薄塗りの画家(単に強いタッチが出ないだけで、何度もグレースなどで塗り重ねはしています。)にとって、画面割れはほぼ心配する必要がないのです。
(以前、先生もそうおっしゃっていました。)

ともあれ、知識と画用液がどんどん変化してきました。

私流の絵を描きやすいものを使用して私流の絵を描かねばと思います。