個展を控えていますが、何でもとっととやってしまわないと安心出来ない性格で、一度に10枚以上の小作品を手掛け、6月11日にやり遂げました。
40作品くらい完成させたら個展を...なんてインターネットの記事を見て、「私の作品は40作以上ゆうにある。やってみよう。」と、画廊にアポイントを入れて、レンタル料金を半分入金してから、気付く事。
それは、私の描いて来た絵は大き目であるという事です。
小さ目の作品は殆ど10号。他、30号以上が多く、まあ小さいかなと思う作品は大体6号か8号。4号なんて2枚だけ。
そこで、ギャラリーさんとの打ち合わせで、初めて「小さい作品(4号以下)じゃないと売れませんよ。」と言われるんです。
もちろん、お金のために描くのは芸術家として御法度ですが、レンタルフィーや搬入搬出料金、額縁代金の元を取りたければ、小さな作品もたくさん描かねばなりません。
お客様の事を考えると、決して手抜きをする事も出来ません。
そして1ヶ月ほど、ただひたすら描くことになるのです。
駆け出しで初めて個展をしようとしたら、やらなければならない事。
それは40点の作品を描き上げる事ではなく、0号、サムホール(通称SM)、3号、それと4号(4号はもうあまり売れないと、個展などをよくやるアートスクールの先輩がおっしゃっています。)をある程度。これらを一定数描き貯める事。(但し、絵を売る事がやろうとする事と同一ならばです。)
>後述でございますが、この感慨は全て要らないもの!
>実際は大きめの絵で個展される方もたくさんいますし、コマーシャリズムに走って芸術性が衰える事こそ常に問題にする必要があります。
そして自信作のちょっと大き目の作品を少々。あるいは、有れば入選や受賞の100号なども用意する事。
>こんな砂糖と塩を適度に加えたら良い料理が出来るみたいな事もありません。
先輩曰く「大きな絵も売れたりするんです。」
また、販売する事だけに凝り固まるとかだと、芸術家として疲弊してしまいます。
>その通りだ。
当然、売れなくても(あるいは非売品として売らなくても)是非、お客様に見て欲しい作品を用意しなくてはと、思います。
>というかそういう自分自身の絵を買って頂かねば。
そして、用意する作品数はギャラリーさんの広さの規模で変わります。
また、額縁を嫌うギャラリーさんがあるかと思えば、額縁を付ける事を勧めて来られるギャラリーさんもあり、銀座だけでも一概に言えません。(額縁を義務付けられる事だってあるでしょう。)
>銀座界隈ではやはり個展は額無しで勝負するべきだと思います。
とりあえず約1ヶ月、小さな絵を没頭して描いて、望みの数を仕上げました。
描く事に辛さは時にあるものですが、概ね楽しいものです。
ただ今回は数があったので少々、たいへんでした。
>そりゃそうだ。描きたくもない絵を描くんだもん。
でも、本当の画家の苦しみは絵を描く事ではありません。
後始末なんです。
「パレットは画家の命」をキャッチフレーズにしている画材店もありますが、私は板のパレットは時々しか使いません。
大きいサイズの紙パレットを使用します。
洗うのが厄介だからです。(アートスクールの同じクラスの男性に教えて頂きましたが、台所用の油取り紙で拭き取る方法があり、これは時々する事があります。またクラスの美大出の若い男性のパレットはびっしり何重にも絵の具が積み重なって固まっています。こういうやり方もありです。)
そして、何がいちばん厄介かというと筆を洗う事です。
石鹸で筆の汚れをこすり取り、それから筆洗液の入った壺でまた筆をこすります。これを2〜3度繰り返し、キッチンペーパーで拭いてみて、筆の汚れが取れたのを確認します。
>今、言いますとこの筆洗法は間違っております。
>まずお湯と石けんで筆をよく洗い、もう色が出なくなったら、筆洗液に付け更に石けんでよく落としそれから(獣の筆なら)リンスして終わりです。
そして今回の様にようやく描き上げてくたびれた時やアートスクールから持ち帰って2、3日放置してしまった時、筆を洗う回数は更に増えてしまいます。
>まだ洗い方を知らない頃です。
最悪、筆が固まってしまって、ストリッパーという液につけ置きしなくてはならなくなります。
師匠は石鹸とお湯で洗う事とおっしゃるんですが、使用本数が多い私はそれでは追いつけません。
>明らかに筆を使い過ぎていました。
でも、この作業は画家の宿命であり、筆を大切にする事が、それ即ち、その人は画家なのだと言える、大切な事だと思います。
>これはその通りです。