izumi-akie’s diary

画家・和泉暁絵の部屋

三種類の黒

最近のiPhoneに追加された機能で、ちょっとビックリする事がありました。 画像を長押しすると、人物などをくり抜く機能なのですが、現在、自宅で描いている人物を長押ししてくり抜いてみたのです。

元絵。

くり抜いたもの。

木々の暗い部分と、髪の毛の区別が付くのか?と思ったのですが、ほぼ髪の毛のみを見分けています。

これには人の形を把握しているところもあると思いますが、おそらく、黒に使用されている絵の具の種類(あるいは分量というべきか)を把握しているのだと思います。

私の知っている黒の作り方は三種類です。 古典的なカマイユ画法のスクールも、現代絵画を主に教える現在のスクールの先生方も(お一人を除いて)ブラックの絵の具を使用する事を推奨されません。 ブラックは使わず、色を混ぜて黒を作るのですが、黒の作り方は先程申した通り、私は三通り考え付きます。

まず、髪の毛などによく使用するのは、茶色と青を混ぜて作った黒で、

最もポピュラーだと思います。

しかし、木々の暗い部分等にこれを塗るのは余り適さないと思うので、緑に赤を混ぜて作っています。

つまり、緑は青と黄色を混ぜて作った色で、それに赤を加えたら黒になる...つまり反対色で、黒が作れるという考えだと思います。

赤、黄、青を混ぜると不完全な黒が出来、3色刷りの印刷で使用されている様です。

ところで上記の人物は実は写真では、黒いバッグを下げており、先生の指示を待って、バッグを描き込むために、もう一つの黒を作りました。

紫と黄色。つまり、紫は赤と青を混ぜて作られているので、それに黄色を混ぜ込みます。 ただし、以前、作ろうととして失敗して、どうして上手く行かないのか悩んでいたのですが、普通のパープルとイエローに少し深い青を加えますと、この様に作れました。

何だか他の黒よりリッチな感じがします。

つまり、この三つの黒は元の色の影響で、それぞれ、赤、青、黄の分量が、若干違う事でその黒の特徴を出しているのですが、この違いをiPhoneがちゃんと把握している様です。

しかしA.I.がその内、絵を描く様になって、画家はお祓い箱になるなんていう話を時々聞きますが、私は今まで培った方法で、コンピュータに対抗して行くつもりです。